灰青と花を彩る
“アルフェンとシオンについて?
そうだなぁ…アルフェンはカッコイイ頼れるお兄さんで、シオンは美人で可愛いお姉さん!かなぁ。
二人が幸せそうだとね、こっちまで幸せになれるんだ!
まぁ、アルフェンはシオンのことになると頼れるお兄さんっていうより、おっかなーい男の人になるんだけどね。
これ、シオンはどうも気付いてないみたいだから…ここでこっそり暴露しちゃお!
アルフェンはめちゃくちゃ嫉妬深い束縛系だと思うよ…自由にさせてるように見せて、そんなことない、みたいな?
シオンもシオンで、あまり本人には言わないけど、アルフェン大好きだからなぁ…
似たような部分はあるし、お似合いなのかも。
私たちには特に実害ないし、被害に遭ってる人たちは自業自得な部分もあるから…
二人はいつまでも変わらずに居てくれればいいかな。
結婚して、家族になるってことは、きっと変わっていくこともあるんだろうけど…
それはきっといい変化なんだろうなって思うし、二人なら大丈夫だって信じてる!
それから、たまには私とも遊んでね!”
“アルフェンとシオンについて?
なんだそれ…答えなきゃダメなのか?
そうだなぁ…アルフェンのことも、シオンのことも、尊敬してる。
アルフェンは兄貴みたいなもんだけど、超えたい存在だな。
一緒に旅して、そりゃ弱い部分も見せてくれたけどさ…ずーっと真っ直ぐなんだよ。
ま、その真っ直ぐさはぜーんぶシオンに向いてるんだけど?
いや、マジ、すげーよ…視線で人ひとり殺せんじゃねって思うときもあるから…
そのくせ、シオンに向ける視線はすげー甘い…アルフェンのことは尊敬してるけど、あの面だけは素直にこえーなって思う。
シオンはそういう一面に気付いてないのか、だいたい周りが被害受けてる気が…周りっつーか俺がか。
二人が幸せそうなら…まぁ、それでいいんだけどさ。
結婚してなんか変わんのかね?
あの二人は変わんなさそうだよなぁ…
まぁ、なんだ、結婚しても変わらない二人でいてくれよ。
あと、たまには手合わせしてくれよな!”
“アルフェンとシオンについて?
一体何を話せば……私が思う、二人のこと…
そうだな、とりあえずまずは人目を気にするということをもう少しして欲しいだろうか。
二人の世界にはいるのは構わないんだが、人目があっても気にせず、というのがな。
私たちはある程度慣れているが、主にヴィスキントの民が被害に遭っている…
まぁ、被害以上に利益も生んでいるから、あまり強くは言えないんだが。
…他にか?
変わらずに在れば、それでいいのではないかと思う。
二人が幸せであれば、私も嬉しい。
結婚して、ますます人目を気にしなくなる予感がするがな。
暫くは浮かれているのだと、目を瞑ろう”
“アルフェンとシオンについて、と。
そうさな…よき関係であると思う。
新世界を代表する二人、と言ってもいいだろう。友が幸せそうだと、私も嬉しい。
ヴィスキントに益ももたらしてくれる。
ああ、だが、仲人をさせてもらえなかったことは不満だな。
慎ましやかに、との本人たちの希望だ、仕方がないこととはいえ…
できれば二人との出会いから、彼らがどう歩んできたのかを話して聞かせたかったものだ。
まぁ、それを望まないのだから仕方がないがね。
ともあれ、また酒でも呑み交わそう。
友の赦しが得られるのなら、是非とも三人でな”
「好き勝手言ってくれるな…」
「…あなた、嫉妬深い束縛系なの?」
エリデ・メナンシアは首府、ヴィスキントからほど近い、ティータル平原。
そこに建てられた我が家にて、親しい者だけを招待した慎ましやかな結婚式を挙げたアルフェンとシオン。
仲間に、絆を結んだ者たちに、祝われ、幸せな時を過ごした。
その折に、これはワンダーバードからの祝いであると、テュオハリムが寄越した集音霊器を、皆が帰った後に起動したのである。
以前、ワンダーバードに頼まれ声を集めた頃より改良が成されたのか、随分と長いこと再生されていたように思う。
なんとなく止め時がわからず、最後まで再生してしまったというわけだ。
「シオンはそう感じたことないか?」
「そう、ね…リンウェルからはそう見えているのだと思うと…なんだか、不思議な感じだわ」
可愛い妹分からの暴露に、アルフェンは特に動揺することもなく、シオンへと問うてみる。
束縛をしているつもりはないが、近しい部分はあるだろう。
「それに、多分、私にはそれくらいが丁度良いのよ。だって、あなたの隣は心地いいもの」
しかし、シオンは一拍考えるそぶりを見せた後、笑ってアルフェンの問いかけに答えてくれる。
全く以て可愛すぎるから困ったものだ。
アルフェンをつけあがらせることに長けている。
「俺の奥さんは可愛いうえに寛大だな」
「なんだか恥ずかしいわ…」
隣に座るシオンを抱き寄せ、額に口付ければ、その頬を赤く染める彼女に、どれだけ一緒に居てもこういうところは変わらないなと微笑ましく思う。
「間違ってないだろ、もう、夫婦になったんだから」
「それは…そうだけど…慣れないわ…」
「これから慣れていくさ。だって、この先もずっと、一緒に居るんだ」
逸らされてしまった視線を合わせるように頬に手を添え上向かせて言葉を掛ければ、こちらを見てくれるシオン。
祝福され、関係を変えたが、まだ初日だ。
これから先、シオンを奥さんと、アルフェンを旦那さんと、紹介することも増えるだろう。
そうなる未来を確信して、アルフェンは言葉を紡ぐとともに、彼女の唇へと口付けた。
